5.自己資本比率
①「自己資本」とは、資本金と資本剰余金・利益剰余金(当期利益を含む)を合計したものを言います。つまり、「資本金(自分のお金)」と「利益(儲け)」の蓄積となります。
この「自己資本」が「総資本」のうち何%占めているかをみるのが、「自己資本比率」です。最も端的に、病医院の安全性を表現する指標です。
②「自己資本」を「総資本」から引いた残りは、「他人資本」と言います。つまり、返済しなければならない(他人のお金=借入金等)資本となります。
自己資本比率は、大企業25%前後、中小企業20%前後という指標もありますが、100%になれば無借金経営となります。
よっぽどの財産家でない限り、事業を起こす時には借入金で資金の一部を調達するのが一般的です。この比率が低くなれば、「資金繰りに支障」を来します。
③望ましいAクラスの目標は、製造業で50%、販売業で35%以上です。病医院は、一般に20%以上が望ましいと言われます。将来への投資という視点で見ると、高いばかりが良いとも言えません。
6.自己資本増加指数
①これは説明するまでもなく、自己資本の増加度合いを表す指数です。
毎年、利益が出たからといって無計画に消費せず、税金を支払った後の剰余金をどう処分するのか。借入元金の返済、成果配分、積立金にする等々、将来を見据えた利益処分が重要です。
私のある関係先では、計画的に開業当初から自己資本比率が50%になるまで、利益を積極的に蓄積していきました。お陰様で開業当初、担保がないからと見向きもしなかった銀行が、設備投資や毎年賞与の度に借り入れの打診をしてくるようになりました。
「雨の日は傘を貸さず、晴れの日に傘を貸したがる」という事です。高級車を買いたい等、無駄な借入は禁物ですが。
②売上の増加、借入の額、返済期間等とにらみ合わせる必要があり、Aクラスの目標として130%以上が望ましいという指標もあります。
7.支払利息率
①これは支払利息の売上高に対する比率であって、借入利率のことではありません。これが高いということは、「借金過大病」にかかっていることを意味します。
②製造業で5%以上、販売業で2%以上は明らかに過大であり、望ましいAクラスの目標は、製造業で2%未満、販売業で0.7%未満といわれています。参考にしてみてください。
③近年は、低金利時代。20年以上前までは、利率が8~10%もありました。定期預金も8%~10%という時代もありました。郵便局の預金には、10%というものがあり、100万円で10万円。近所に、満期が来るたびに旅行に出かけていたお年寄りがいたくらいです。
現在、銀行の運営が危ういくらいの低金利(1%以下)という観点から判断すれば、2%未満でも高すぎると言えるかもしれません。ちなみに私の関係先は、銀行からの借入利率は具体的に表記すると支障がありますが、1%以下です。
8.流動比率
①これは、1年以内に支払期限がくる「流動負債」に対する、1年以内に回収される「流動資産」の比率です。この比率が高いほど流動負債の支払能力(運転資金)があることを表しています。つまり、資金繰りが順調かどうかの比率です。
②せめて120%以上が望ましいと言われています。私の関係事業所では、Aクラス150%以上を目標としています。