読者の方を、看護師・理学療法士・介護福祉士等の専門職であると想定して、内容を構成しています。経営数値を日頃から分析している人からすれば、少しもの足らない内容かもしれません。
そこで一部ではありますが、専門外の難しいと思っているであろう一般的な経営分析の中から、私が選んだ「主要10指標」を簡単にですがご紹介します。
難しいと感じる方は、この記事以降で少しでも数字の意味を理解していただける内容をご紹介していきたいと思います。例えば、今まで医療・介護現場スタッフを対象にした研修会で、実際使用してきた資料を基に説明していきます。
今後、「10指標」を理解することを目標としていただき、先に述べたとおり、難しい事は税理士や事務長にお願いし、本ブログではサラリと解説させていただきます。
「主要10指標」による経営分析
私たちは、学問的研究をやっているのではありません。経営分析やサービス別原価計算等、いくら詳細にやっても儲かりません。かと言って現状分析を怠っては、重大な病気になっているかもしれません。経営分析は、「企業の定期健康診断」だと思って下さい。
ここに紹介している「10の指標」だけでも、十分経営分析の目標は果せます。計数管理には時間もかかりますので、幹部の人件費をムダにかけ過ぎない程度にして下さい。「もちは餅屋に」、です。
指 標 | ウエート | 算 式 | |
安定収益力 | 1.総資本経常利益率(%) 2.損益分岐点率(%) |
15 10 |
(年間経常利益÷総資本)×100 (損益分岐点売上高÷売上高)×100 |
商 品 力(開 発 力) | 3.限界利益率(%) 4.売上高増加指数(%) |
15 10 |
(限界利益÷売上高)×100 (当期売上高÷前期売上高)×100 |
資 本 力 | 5.自己資本比率(%) 6.自己資本増加指数(%) 7.支払利息率(%) 8.流動比率(%) |
10 5 10 5 |
(自己資本÷総資本)×100 (当期自己資本÷前期自己資本)×100 (支払利息÷売上高)×100 (流動資産÷流動負債)×100 |
人 材 力 | 9.労働分配率(%) 10.一人当たり月間付加価値高(千円)労働生産性 |
10 10 |
人件費合計÷付加価値×100 年間付加価値高÷延べ人員 |
合 計 | 100% |
まずは、自病医院・介護事業所の試算表を基に計算してみましょう。
経営分析を行う前の2つの重要事項
ここで重要なことがあります。経営分析をマスターするための大前提として、2つの事を解決しなければなりません。
一つ目が、「試算表が自分の手元に準備できるか」という事です。一般職員の方が手に入れるのは難しいかもしれませんが、幹部が見たこともないという事業所には、別の重要な問題が潜んでいます。そのことは、別の機会に述べます。
二つ目が、「経常利益?総資本?限界利益?」って、何のこと。貸借対照表と損益計算書を読めないと経営分析は出来ません。
「貸借対照表・損益計算書とは何ぞや?」
ざっと表現すれば、「貸借対照表」は、ある時点の資産の状態を表現しています。「損益計算書」は、ある期間の活動報告書となります。
経理をするまでの知識は必要ありませんが、経営分析をマスターするために、「貸借対照表B/S」と「損益計算書P/L」を読める知識を習得する勉強会から始めましょう。
それも難しい場合は、計算は事務長にお願いし、分析した指標が何を意味するか、どういう健康状態を示しているのか、解釈できるようにまではなりましょう。
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