診療所と介護事業経営

生産性向上のために「3つの能力」を向上させる

あんずパパ
あんずパパ
3つの能力とは、何か?どうすれば発揮できるのか?一緒に考えてみましょう。

知識的能力 ⇒ 知る・知っている

医療・介護従事者は、専門職(資格者)集団です。
国家資格・自治体の資格等、事務系以外は何らかの資格を有しています。

いわゆる免状を持っている人達ですから、素人から見れば、知識的能力は備わっていて当然な人達に見えます。
逆に、なければバカにされる材料になってしまう恐れすらあります。

正しいプライドを持って、しっかりと時代に乗り遅れないよう進化・成長していただきたいと思っています。
正しいプライドとは、「私を誰だと思っている。俺は医師だぞ。」という自己評価ではなく、第3者から、「さすが看護師(医師)さんですね!」と感謝されることです。

医学部・看護学校・介護専門学校等で「学生」として学んだ事は、極端に言えば受験のための知識です。
「社会人」になったからには、現場で発揮できなければ専門知識とは言えません

私は、社会福祉士と介護支援専門員の資格を有しています。引退しましたので、現在では知識に自信はありませんが、現役時代は、それなりにお役に立てていたと思っています。

また、専門領域の知識だけでは、人間的に厚みが出ません。一般常識や社会情勢等、バランス良く身に付けてもらいたい。
新聞は、ぜひ出勤前に読んで行きましょう。患者さんや利用者さんとの会話も弾みます。

ためになる書籍もたくさんあります。医療機関や介護事業所にお勤めの皆さん、もっともっと読書をしましょう
専門書に限らず、小説や趣味の本等、色んな人の考え方や生き方に触れることができます。

 

技術的能力 ⇒ 使う、できる

いくら知識や技術を身に付けても、使わなければないのと同じです。
技術とは、知識を表現する技術でなければなりません。ただの動作であってはならない。

簡単な例えで、包帯を巻くとします。巻くだけなら、私でも出来る処置です。
看護師が巻いた仕上がりと、私が巻いた仕上がりに差がなければ、技術とは言えません。
知識が専門であるように、「技術も専門家」でなければならないのです。

看護師・介護福祉士等、専門家としての技術を学んで、免状をもらった人達です。武士の時代であれば、「○○道場新陰流免許皆伝」です。時代劇が好きなもので済みません。

「看護婦」と言われた時代が長くありましたが、今では、「看護師」の師は医師と同じ「師」です。
弁護士や公認会計士等の士は、武士の「士」から来ています。「士」が付く人は、それなりの腕前(お主できるな!)がなければ、プロとは言えません。

知らないから使えない = 問題外

知っているが使わない = 知らないのと同じ

知っているから使っている = プロ

 

態度的能力 ⇒ 使う時の態度(技術の見せ方)、表現力

たとえ立派な知識・技術があったとしても、表現が悪ければだいなしです。
分かりやく言えば、どんなに接遇の研修会でマナーを学んだとしても、挨拶も電話応対もろくにできない。職場に、ゴミが落ちていても拾わない。

感謝・感心・感動を呼ぶ言動(表現)になるよう、意識しなければなりません。
どんなに知識・技術が身に付いたとしても、おうちゃくではいけないのです。

幹部となれば、その手本となる言動が必要であり、時にはスタッフのモチベーションを高めてあげることも重要な役割です。

 

モチベーションを高めるために「目標・方針・夢」を持つ

知識・技術があるのに、「業務態度が悪くなる時」とは、どんな時でしょう。
何らかのきっかけや理由により、モチベーションは低下します。皆さんも少なからずご経験があるかと思います。

では、モチベーションを高める方法として、何があるのか。
私は次の事を研修生に問いかけています。

①なんの為に仕事をしていますか?

②どんな看護師・介護士を目指していますか?

③どんな職場に勤めたいですか?

④給料高くしたいですか?

⑤休み、多く欲しいですか?

⑥旅行に行きたいですか?それはどこへ、何泊?

⑦車欲しいですか?車種は。タイプは?

等々、目標や夢になるような題材を探し出すためです。
大小かかわらず、欲を持たなければ人は頑張れません。また、夢だけ持っても実現は不可能です。

よく現場で失敗を繰り返す職員は、「私にはこの仕事は向いていない。私には、能力がない。」と、すぐ悲観的になります。

面接時に、「あなたは、失敗を繰り返さないために、何か新たな取り組み(本を読む、研修を受講する、先輩に教わる等々)をやりましたか?」、と聞いてみます。
答えは、決まって「いいえ、何もしていません」

何の努力もせず、できるようになるはずがありません。

私がお勧めする自転車理論とは

私がよく研修会で話している、「自転車理論」という考え方があります。

小さい頃、「自転車に乗りたい、乗れるようになりたい。」と思って一晩寝たら、朝乗れるようになっていたか?
魔法使いでもあるまいし、あり得ない話です。

乗りたい、乗っている友達を見て「私もああなりたい。」と、心から思ったはずです。
動機づけは人により多少の違いはあっても、「乗れるようになりたい!」とうモチベーションは、非常に高かったはずです。
だからこそ、何度転んでも、膝から血を出しても乗り続けた。
そんな記憶は残っていませんか。

誰しも、動機づけに使える目標・夢は存在します。
幹部として、スタッフの中に眠っている意欲をうまく引き出してあげましょう。

 

あんずパパ
あんずパパ
七転び八起き。多少壁にぶちあったたり転んでも、あきらめずにやり続ければ、「私もああなりたい!」という姿に必ずなれる事を伝えていただきたいと強く思います。