約3年ぶりか??? 家族そろっての外出
令和4年4月22日(金)「くまもと 花とみどりの博覧会」へ行ってきました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、人工呼吸器を付けている娘を連れ出すにはリスクが高く、ドライブ以外の外出は控えていました。
感染拡大は未だ続いていますが、ワクチンの3回目の接種も終わり、看護師さん達によるボランティアにより、約3年ぶりの浦上ファミリーの外出が実現できました。
コロナ感染対策は万全。出かける準備から始まり、福祉タクシーや駐車場の手配、桜町の建物のどこにエレベーターやトイレ、食事処があるか等、すべて整っていました。
ボランティアの看護師さん達の心配りは、感心するばかりで、感謝・感謝・感謝です。
家族での外出は結構大変なんです
家族で出かける事は、浦上ファミリーにとっては、非常に準備から大変なのです。
子供の着替えから始まり、痰の吸引、酸素や管理にストレッチャーへの移乗。
ストレッチャーには、もしもの事を考え、酸素ボンベや呼吸器も使えるバッテリーに吸引器等々を積み、それから福祉タクシーに乗車します。
そこまでに約1時間を要します。帰ってきてからも、色々大変です。
一般のご家庭であれば、「さあ行くよ!」で準備できると思いますが、まったく動けない子供との外出はそうは行きません。ましてや胃瘻に人工呼吸器を付けています。
以前は、よく温泉に出かけていました。家族湯に皆で入っていた光景は、楽しい思い出です。気管切開をしてからも何度かは行きましたが、娘の体重も重くなり、私が抱えて一緒に入っていましたがそれも叶いません。
浦上ファミリー外出の必須アイテム
まずご紹介したいのが、カフマシーンです。
カフアシストとも言いますが、これを使うようになって結構な年数が経ちますが、直接機関から吸引をしていた時と比べて、圧倒的に気管や肺の病気をしなくなりました。
詳しくは専門家にお任せするとして、私なりに少し説明します。
通称カフマと呼んでいます。機械による陽圧(深呼吸)の後に陰圧(呼気)を加える咳介助方法のための機械です。排痰介助効果は、抜群です。
喉元で、「ゴロゴロ」「ゼコゼコ」と鳴るような気管支や上気道での分泌物(痰)を喀出する時は、「咳」をすることが一番です。皆さんも何度もご経験があると思います。この当たり前のことが、気管切開している私の娘には出来ません。
「咳」は、強力な痰の喀出機構であり、中枢気道にある分泌物の除去にきわめて重要な働きをしています。専門的には、もっと多くの機能があるかと思いますが、簡単に言うと、この「咳」の代わりをしてくれる機械とも言えます。
私的には、一押しの機械です。
ポータブル電源としてのバッテリーをご紹介します。
一応、人工呼吸器やカフマには短時間使用できるバッテリーが 内蔵されていますが、外出ともなればそれなりの時間が必要です。
もし、内蔵バッテリーを使い切ってしまったら一大事です。そこで、持ち運びが出来る「PowerArQ」と言うバッテリーを購入しています。もう新型になっているので、現在販売されている物とは多少違います。
緊急で使用したことはありませんせんが、安心して出かけるためには必須アイテムの一つです。家で停電があった場合も使い方にもよりますが、4時間程度は使用できます。その間に病院に入院する準備も出来ます。
パルスオキシメーターのご紹介です。
コロナウイルス感染症で必要性が高まり品薄状態と聞きますが、人工呼吸器を付けている娘にとって、これも必須アイテムです。
吸引器のご紹介です。
カフマシーンも重要ですが、頻繁に使用する機械となります。
他人が使用すると医療行為の問題がありますが、家族としては一番使用するアイテムとなります。
左が袋から出したところで、外出時はちょうどよい大きさのバッグをアマゾンで購入して使用しています。
袋から飛び出している物は、吸引チューブです。外出先で使用しますので、体調次第では何本使うか分かりませんので、結構な数を持って行きます。
人工呼吸器は、フクダ電子の物です。
本当にコンパクトになりました。写真では分からないかもしれませんが、ちょうどA4用紙サイズです。
家で使用する時と外出時の使用が少し違いますので、機械のちょっとしたセッティング変更操作が必要です。面倒なのはその程度で、外出するときもストレッチャーの後ろの方に載せられるので、非常に助かっています。
最後は、外出するための家の改造と車の改造です。
家はマンションですので、改造するにも限界があります。
マンション購入の必須条件として、1階を選んでいます。猫の額程度の庭が付いていますので、そこを移植ごて一本でスロープを作りました。
ホームセンターでレンガ調のブロックを購入し、セッセセッセと土をならし、平らになるよう敷き詰めました。階段の高さに合うスロープを購入し、外から直接ベッドのある部屋に入れるようにしています。
これにより、ベッドから車椅子、車椅子からストレッチャー、ストレッチャーから車のシートへ移動という重介護が無くなり、外出時の段取りが非常に楽になりました。
車も普通のワンボックスカーから、ストレッチャーが載せられる車に買い換え、夫婦二人でも外出の準備が出来るようになりました。
これからあと何回、娘と一緒に外出出来るか分かりませんが、沢山の思い出作りを定年退職もしましたので、やって行こうと思っています。
それから忘れてはならないのが、ハードでは無く、ソフトの事です。ソフトとは、外出を支援してくださるボランティアの力です。特に訪問看護師の方々の支援は、ありがたいです。
もちろん、どんな方のボランティアをありがたいのですが、人工呼吸器を付けている娘にとって、看護師さんのボランティアの力は何よりの安心なのです。
大好物のフライドポテトを味わう
娘は、大のポテト好きです。まだ自分の口で食べることが出来ていた頃は、一人分のポテトを食べていたくらいです。
どちらかと言うと、モスより少し塩がきいたマクドのポテトが好きでした。
看護師さんが、事前に下調べしていた美味しいハンバーガーのお店に連れて行ってくれました。久しぶりのポテトの味を親子で楽しませていただきました。
娘、母の日のプレゼントを買う
4月22日は、母の日にはまだ早いこともありましたが、めったにない外出です。また、初めて来たサクラ町です。建物に入るのも初めてで沢山のお店に迷いましが、そこも看護師さんの心配りで、お勧めのお店に連れて行ってくれました。
娘から直接母へのプレゼントが出来るなど、浦上ファミリーでは、ほぼないことです。
娘のお小遣いをはたいて、帽子と小さいバックとエプロンをプレゼントすることが出来ました。
おまけに、娘は自分の洋服も買うことが出来、女の子ですからそれは満足だったことでしょう。自らショッピングをする姿を見て、父としても本当に嬉しい限りでした。