自主性、自発性の尊重
リーダーに任命されたものの、その役割を認識できていますか?
どういう立場で、何を期待され、何のための役職なのか、なぜこの役職なのか...?
これらが理解できていなければ、どうリーダーシップを発揮していけばいいのか分かりません。
辞令をもらったからとう程度の認識では、組織をまとめることは出来ないでしょう。
自らが自主性・自発性をまず持たなければ、チーム力を高めることは難しいでしょう。
自主性(自ら考え)、自発性(自ら行動実践し)、自立(自ら達成し成果を上げる)
例えば、研修会への参加命令を受けたとしましょう。命令だからといやいや参加するスタッフ。自分への期待を知り、そのための勉強が出来ると積極的に参加するスタッフ。
同じ同じ場所で同じ時間を過ごしたにも関わらず、両者の成長には差が出ます。リーダーに限らず、自発性や自主性はその人の成長に大きく影響します。
良い会社に勤めている証し
利益を上げられない事業所なら、研修会へ参加させる人的余裕も資金的余裕もありません。
参加できることは、「良い会社に勤めている証しだ。」という事が理解できているでしょうか。
中小零細企業ほど、幹部が自ら成果をあげなければなりません。ましてや介護事業所や診療所は、零細企業です。
自主性のあるリーダーがいるか否かで、大きく業績を左右します。
既にリーダー的立場にある人は、その役割とは何か。上司から何を期待されているのか、分からなければ聞くことから始めましょう。
正しい現状認識をする
シャツの第一ボタンをはめ間違えると、せっかく最後まではめたボタンをすべて外し一からはめ直す必要があります。
そんな経験はありませんか。
業務改善も同じで、根本原因を誤り、結果打つ手がまとを外れていると、せっかく流した汗が無駄となります。
この第一ボタンが、現状認識です。
自分の事は、自分が一番知っているようで一番知らないものです。独りよがりな判断では、更に間違った現状認識をしてしまうかもしれません。
医療機関であれば、患者さんへのアンケート調査、接遇コンサルタントによる現場確認や指導等、第三者の介入も時には必要です。介護事業所では、開設当初から外部評価を受ける仕組みもあります。
既にリーダーである方は、これからブログに書いていくことと自分の現状を比較し、自分自身を見直す機会にしていただければと思います。
参考になると感じる項目があれば、試しに実践してみて下さい。私が現場で実際実践してきた事でもあります。
事業所の規模や地域性等の違いがありますので、多少のアレンジは必要ですが、少しはお役に立てると思います。
変なプライドや過去の経験や固定概念は、ちょっと脇に置いて、まずは素直になる。そうすれば、何か打つ手やアイディアが浮かんでくるかもしれません。
正しい判断をする
リーダーになると、スタッフからの相談も多くなります。リーダーは、相談を受ける人ではなく、スタッフの悩みや迷いを解消するため、何かを判断し助けてあげれる人だと思います。
相談を受ける ⇒ ジャッジをする
現状認識 ⇒ 判断 ⇒ 指示・命令 ⇒ 動く ⇒ 結果 ⇒ 現状認識 のサイクル
大げさかもしれませんが、スタッフを生かすも殺すもリーダー次第。活かすために判断をするのが、リーダーの役割です。
かと言って、正しい判断能力を身に付ける事はそう簡単なことではありません。研修会に参加しても啓発本を読んでも、今日明日に身に付くものでもありません。
正しいと思って判断しても、失敗することもよくあります。
だからこそ、一般職員よりも積極的に研修会に参加したり本を読んだりと自己啓発に励み、リーダーとしての基本素養を身に付けなければなりません。
仕事の経験が長くなれば、自然と身に付くこともありますが、自ら仕事や技術を取りに行く姿勢がない人は、リーダーになるべきではないと思っています。
部門長としての基本素養を身に付ける
部門長となれば、小なりと言えども「一国一城の主」です。例え部下が2~3人しかいなくても指示を出し、与えられた部門を率いて成果を出すのが部門長の役割です。
言い換えれば、経営の一部門の「トップ」としての役割を果たす立場となります。正に、経営者の分身とも言えます。
こうした立場を考えると、部門長はただ単に仕事ができるだけではなく、経営の仕組みの基本も身に付けておく事が必要です。管理者としての能力た体得することは、職務を全うするためのに必須となります。
身に付けることは体得(実践している)すること
何かを知った(知識)としても、実践できなければ何にもなりません。体得することが肝要です。
師長らしさ、課長らしさ、部長らしさ、院長らしさ。何をもって〇〇らしさと言えるのか。
難しいことのようですが、部門長としての基本素養を身に付け実践している人が、それらしく見えてくるとのだと思っています。
皆さんは、今まで何を身に付けてきましたか。コミュニケーション(読む・聞く・書く・話す)能力、幹部としての態度・ふるまい(基本動作)、仕事中心(ワークライフバランスを考えた上)の発想等々、どんな人間的魅力を身に付けて来ましたか?
私が医療界に転職したのが、34歳の時です。一般企業のリーダー向けの出版物や研修会が山のようにあるのに比べ、医療・介護業界のリーダー向けはほとんどなく、驚いたものです。
医療や介護の知識・技術を学ぶものは沢山ありましたが、管理に関するものはほとんどないのです。
私のつたない経験ですが、約30年間の介護事業所と診療所の経営体験から学んだ事をしばらく書き続けたいと思います。