老後の備え

何が老後維新か

元気なうちに住み替える

老人ホーム等の入居相談を受けたり、老後の備えのセミナーで体験することですが、「もう少し悪くなったら入居(入所)を考えたいと思います。」とお話をいただきます。
「元気なうちに入居したいと思います」という方は、まずいらっしゃいません。
もう少し介護状態になったら、もう少し物忘れがひどくなったら等々、この考え方を「元気なうちに」と切り替える事そのものが老後維新となります。
即ち、元気なうちに、自分で判断できるうちに「住み替える」事を考えてみませんか。

高齢者の住まい

自宅に住み続ける
住み慣れた地域で、住み慣れた我が家に住み続ける事が一番と考える方が多いと思いますが、今はそういう時代ではないと思います。
住み慣れた我が家で暮らし続けることが出来れば、確かに望んでいる事だと思いますが、その為には、しっかりとした療養管理(在宅医療等)と介護力が我が家にない限り不可能です。経済力もです。

施設に入所する
ほとんどの方が、老人ホームやグループホーム等には、入所したくないと話されます。私も嫌です。
一度でも施設を見学したことがある人は、全てではありませんが、「将来、こんなところでは暮らしくないよな。」と思うと思います。
特に特別養護老人ホームは、要介護3以上しか入所できません。要介護3というと、個人差は多少ありますが、車いすが必要で軽度の認知症が始まっている程度と解釈ください。
数年前までは軽介護の人も入所できましたが、他の種類の施設に比べ入所費用が低くいため、入所希望者が集中し、いつも数十人~数百人待ちの状態です。その割には、国が予算不足で特別養護老人ホームは増えません。
その代わりに増え続けているのが、有料老人ホームです。
有料老人ホームの運営は、営利法人なので(特養は社会福祉法人)利益優先の経営となります。悪いことではなく、当然のことです。民間企業は、適正な利益がなければ倒産していまします。
ですから、どうしても収入が多くなる介護度が高い人を入所させようとします。重介護の人ばかりになると、コミュニケーションも取りにくく、認知症の方や寝たきりの方も多く、生活に活気がありません。暗い感じです。
そんな所に好んで入る人は、まずいないでしょう。
施設と書いて、「施しを受ける設備がある所」なので入所すると言います。

高齢者住宅に住み替える

老後の住まいについて相談を受けていると、高齢者住宅も老人ホームと思っている方がほとんどです。
高齢者住宅なので、老人ホーム(施設)ではありません。高齢者が住みやすいように廊下や部屋が作れていて、高齢者が助かるサービスが付いている「賃貸住宅」です。
高齢になると、よくつまずくようになります。段差を上がるのも難しくなります。部屋のあちこちに手すりが必要となってきます。ガスコンロで、よく鍋をこがすようになります。
一番危ないのが、一人暮らしのお年寄りが、病気等で動けなくなった時です。孤独死は、悲惨です。
高齢者住宅も種類があり、私が一番お勧めしたいのが「サービス付き高齢者向け住宅」です。

サービス付き高齢者向け住宅とは

先ほど述べた高齢者の様々な不安を解消してくれる建物の作りとサービスがあります。
例えば、それなりの建物の設備基準が厳しく設定されています。手すりやバリアフリー、廊下の幅、IHコンロ、スプリンクラー、寝台が入るエレベーター、自動非常通報装置等々、もっとあります。
また、孤独死を防ぐため、毎日安否確認を常駐スタッフが定期的に行います。もし、転倒して動けないとしても最悪2時間以内には、発見できます。大声を出せば、近所の方が駆けつけてくれます。
また、部屋の中には非常通報装置が設置(必須)されており、ベッド際・トイレ・お風呂にあり、首から下げるリモコンボタンもあります。ボタンを押せば、数十秒後にはスタッフが駆けつけます。
まだまだ特徴がありますので、次回に他の住宅や施設との比較も含め詳しく書いてみたいと思います。