事業計画や人材教育は果樹を育てるように
我が家はマンション住まいなので、広くはありませんが2畳ほどの小さな庭があります。そこには、妻が趣味としているバラや紫陽花等の花が所狭しと植えられています。少しの暇を見つけては、土いじりをしたり、消毒や剪定をしたりしています。
その少し空いた隙間を利用して、私も15種類ほどのミニ盆栽をやっています。毎日の水やりや日曜日にやっている剪定、時期を見ての肥料、そんな事をしていて、ふと思う事があります。
「人の育成も同じだよなぁ~。」、ということです。
私が育てているミニ盆栽の中には、1年に一度、決まった季節に花や実を付けるものがほとんどです。実がなる植物が、花だけの物よりも大好きです。
桑の実やリンゴ、アケビ、ブドウ、サクランボもあり、通常の3分の1程度の小さな実がなります。桑の実やブドウ、サクランボは食べられます。
桑の木(左)とリンゴ(右)のミニ盆栽です。
果実は成長の証 四季を死期にしない
ミニ盆栽だけに果実もミニですが、仕事で言えば成果です。
1年間には四季があり、温暖化している今の環境を踏まえながら、木の特性を理解したうえで育てていかなければ、新たに購入しては、盆栽をちょくちょく死なせている私のように、失敗してしまいます。
いい加減にやっていると、「四季を死期」に変えてしまいかねません。ミニ盆栽は、鉢である器が小さいので、特に繊細な注意が必要です。
人の育成も、「その人の特性を知り、その人にあった育て方」が必要です。現実は、そう簡単ではありませんが、皆同じ育て方をしていませんか?
ちょっとシンキングタイムです。皆さんの育成方法は、いかがですか?
花や実を付ける=決算「1年の成果」
1年に1度、花や実を付ける時期を決算期だと考えれば、果樹を育てるのと同じように、水をやるタイミング、肥料をやる時期、剪定をする時期、風や日差しに適度にあててやる等、成果を出すための計画性と適切な行動が必要です。
私のミニ盆栽育ては、2年前までは毎年失敗していました。買った時は、きれいな花が付いていて、その後実を付けましたが、次の年には、一度も花をつける事なく枯れさせてしまうのです。
我ながら、失敗の経験が活かされないダメなやつだなと思っています。それなのに春になると、性懲りもなく、また同じような物を買ってしまいます。
同じような物とは、桜とサクランボの木の盆栽です。いまだこの2つは、翌年に花を付けることがなく枯れさせてしまいます。
枯れたのではなく、枯れさせたのです。
盆栽は、買い直せば済みますが、人材はそう簡単なものではありませんよね。
桜の花を咲かせたい
桜を買うのには、それなりの理由があります。
私には、寝たきりの娘がいます。春になると、桜の開花宣言に合わせて花見に出かけますが、ちょっとそこまでの外出でも、人工呼吸器を付けているので結構大変な準備が必要となります。
そこで、「いっそのこと、桜の木をベッドの横に持ってきてしまえ!」、と考えた次第です。
説明書には、風通しがよく日当たりのよい場所で、表面の土が白く乾いたら、しっかりと水をやるようにと書いてあります。
ほとんどの盆栽が、「風通しがよく」と添付の説明書に書いてあります。職場でもよく使う言葉ですよね。コミュニケーションの良さとも言えます。皆さんの職場の風通しは、いかがですか?
説明書の通りにしようと思っているのですが、ちょくちょく水やりを忘れてしまいます。「アッ、2~3日水やりを忘れた!」と、庭の鉢を見ると、時既に遅し。葉がしおれています。
「まだ間に合うのでは」と、慌てての水やり。申し訳ないと思い、自分のペースでたっぷりとかけてやります。
こんなことを繰り返していると、暑くなり始める7月頃には、木そのものが枯れてきます。「また今年もやってしまった」と反省。
反省とは、過去の失敗を次に活かす事をいうのですが、結果からして何も反省できていません。人材育成に役立ちそうな出来事ですよね。
土づくりと社風づくり
植物を育てる基本には、以降に示すとおりにいくつかの方法がありますが、その中でも土作りが一番大切だと言われています。
職場で言えば、社風ということになります。
しかし、創業時から社風がしっかりした職場などありえません。自然に、その内に出来上がる物でもありません。
また、経営者だけが作るものでもありません。経営者も職員も一体となって、皆でコツコツと何年もかけ作り上げていくものです。