予算会計の活用法
予算会計の目的は、実際の活動結果を極力予想した活動で実践すること(させること)にあります。
「数字を基にした、マネジメント(管理)&コントロール」、となります。
図にすると下記の順序になります。
日々の業務(診療行為、介護サービス)
入力予算との差異を極力発生させない
(予算対比表を活用)
しかし、差異が発生するのが現実
(収入が予測を下回った場合は)(費用が予測を超えた場合は)
収入と費用を連動させる対策を打つ
(収入増、経費削減)(その結果しだいで)
繁栄するか、倒産するか
収入が予測を上回り、経費が予測を下回れば普通の場合は問題ありません。
例外として、インフルエンザの流行などのように努力なしに収入が伸びる場合や、戦略的に一時的に経費が増加する場合は除きます。
予算会計の役割
予算会計の重要な役割は、先にも述べましたが、「予実績の差異の理由を明確にし、その対策を速やかに打つ」ことにあります。
収入が、予想以上に伸びない理由は何か。
経費が、予想以上に増加した理由は何か。
政策・戦略のピントがずれていれば修正し、経費のムダが発生していれば早めの改善が必要です。
特に、病医院・介護事業所の場合、経費のほとんどは人件費です。
適正人員の見直しは、介護事業の訪問系サービス等なかなか難しい業態もありますが、看護師や介護士の人数に無頓着であってはいけません。
配置基準の関係もあり、油断するとアッという間に赤字経営に転落してしまいます。
会議の役割り
収入と経費の予実績の差異は、どこで埋めるのか。その対策を考え出すのが、「会議」です。
会議とは、ただ集まって上司の小言を聞く場ではありません。
会議とは、「会して議し、議して決し、決して行い、そしてその責を取る」という大切な経営のシステムです。
経営方針書に明記したことが、「計画通り実行されているのか、実行していないのか。はたまた、実行したがうまくいかないのか」、で打つ手が違ってきます。
前者であれば、話になりません。
経営方針書自体が、絵に描いた餅になっているということです。
計画の推進役は、幹部です。
幹部がいかに予算会計を使いこなすかによって、悪天候の大海原を航海できるか否かが決まります。
予算会計は、「最新鋭の羅針盤」です。
目標達成のための活動を明記したのが「経営方針書」
目標を数値化し、予測と実績の差異を発見するのが「予算書」
差異の理由を明確にするのが「現地・現場」
行動計画を修正・見直しする場が「会議・MT」
それを推進するのが「幹部の役割」