勇気をいただいた2冊目の本
私が独立起業するにあたり、もう一冊勇気を与えて下さった本をご紹介します。
大江先生の「定年前しなくていい5つのこと」を読み終えた後、他に何か背中を押してくれるような書籍はないものかと、熊本駅に昨年のコロナ禍にオープンしたアミュプラザに出店した本屋さんを探してみました。
独立起業に関する書籍は、思っていたより数多く並んでおり、目を通した中で「購入したい」と思ったのが大杉先生の「定年ひとり起業」です。
定年ひとり起業 著者 大杉 潤 自由国民社発行
大江先生の書籍もそうですが、私が書評を書くほどの人間ではありません。大杉先生の何が私の背中を押してくれたのか、これから起業を考える方のためのヒントになればと思いブログに書いてみました。
昭和から令和の時代へ
まず、私より1年先輩の同世代であったことです。昭和生まれではありますが、昭和・平成・令和の時代は、働き方改革に表れているように仕事に対する考え方が昭和の世代から見れば、相当大きく変化してきました。元気がよかった30歳の頃のコマーシャルで印象に残っているのが、「24時間戦えますか!」というリゲインという疲労回復ドリンクでした。実際、仕事前に薬局に立ち寄りよく飲んだものです。
私は昭和34年生まれですが、社会人になったのも昭和です。平成後半から令和の時代になって、有給休暇年最低5日の取得必須、ワークライフバランス、残業時間規制等々、働きやすい時代になりました。
私が就職した時代は、週48時間労働で、何年だったかまでは調べませんが、ちょうど医療業界に転職したばかりの頃に、労働時間を週40時間にする法律が成立し、その経過期間としてまずは44時間から期限付きで40時間へと推移していかなければならなかったと記憶しています。
それまではコンサルタント業でしたので、早くても午後8時、普通で夜11時ごろ退社するのが日常で、残業手当という考え方もサービス残業とう発想もなく、とにかく締め切りがある仕事をそれまでに終わらせるという責任が、仕事に対する時間の使い方でした。
有給休暇を取得し始めたのは、60歳からです。63歳で定年なので、たった3年。それまで、有給休暇取得を申請すること自体、経営者に対する遠慮というか、出しにくい世代というか出し切れないというか、経営者の責任ではないのですが、そういう風に育った社会人世代と言うことなのでしょうか?同世代の方には、少しはご理解ただけるかと思います。
この本を購入した理由
さて、肝心の本の内容で特に印象に残った、私の背中を押してくれた文章をご紹介させていただきます。あくまでも主観なので、このブログが大江先生の目に触れる事はないとは思いますが、「大切なのはそこではない!」と言う場合はご容赦ください。
私が数多くの中から、この本を購入しようと思った理由は、この文章でした。
「はいじめに」の所に、「これまで63年近くの私の人生をかけて学び、実践してきたキャリア開発と人生設計のすべて、失敗したことも成功したことも包み隠さず、洗いざらい公開・開設して読者の皆さんの人生に役立てていただくために、再現性のあるメソッドとしてお届けしようという強い想いと最大限の情熱を持って書いた本です。」とあります。
まさに、私がブログを開設した理由とほぼ全て同じだったからです。私は、令和4年4月に63歳で定年退職します。4月以降にこの記事を読まれる方には、「退職しました」となりますが。
私も介護人生とコンサルタントの経験を公開したい
1歳の時から父親の介護に自然に携わり、最後の仕事が高齢者介護の仕事でした。また、経営コンサルタントとしても約30年、一般企業と医業業界に携わってきました。この介護人生とコンサルト経験で蓄積した知識や体験を、誰かの役に立ててもらいたい。心から、そう思っていました。ですから、この文章を読んだとき、「これだ!俺と同じだ!」と思いました。
70歳まで働く時代がやってきた!
私が勤務する医療法人の就業規則では、60歳が定年で65歳まで継続雇用制度で働けるようになっています。継続雇用制度には、再雇用契約と勤務延長契約がありますが、63歳になるまでの3年間は、おかげ様で条件がいい勤務延長契約で勤務させていただきました。更に、週休2日制を60歳になるまで経験したことがなかったので、勤務延長の条件としてお願いし、3年間経験することができました。こんなに、週休2日とはゆとりある生活ができるのかと、私にとっては非常に大きい働き方改革となりました。
最低でも65歳までは、今までの職場で働きたいと創業支援となる「業務委託契約」を提案しましたが、残念ながら受け入れていただけず契約不成立となり、結果63歳で定年退職となりフリーランスとなる事を決意した次第です。
大杉先生が言われるように、私も最低70歳までは現役で働きたいと思っています。個人起業なので定年はなくなりますが、知力・体力が許す限りは誰かのお役に立ちたいと思います。
「定年ひとり起業」の定義
定年ひとり起業の形態として特徴を5つ挙げられています。すべて参考になりますが、その中で、すぐ真似しようと思ったことがあります。
それは、自宅を事務所にする、従業員を雇わないなど初期投資を最小限に抑える。年金プラスアルファの収入(月5~10万円程度)を目指し、好きなことを仕事にしてストレスなく働く。規模を拡大せずに「長く働く」ことを最優先に事業を運営する。という事です。
「定年ひとり起業」に向いている仕事とは?
♦自分が好きであること、情熱を傾け続けられることが最も大切。
♢独立起業してすぐに結果が出ることは稀で、少なくとも2年くらいはかかるケースが多い。
♦やり続けられる仕事であることが大事。極端に言えば、お金を払ってでもやりたい仕事であるかどうか。
♢やり続ける事が確実に成功できるたった一つの道。
おかげ様で、私にはやりたい仕事があります。かと言って、成功する自信などまったくありません。不安で一杯でしたが、大杉先生や大江先生も書いておられましたが、「結果がでるまで2年くらいはかかるつもりで」という言葉に何かホットしました。
そして、大杉先生の教えの通り、自らのキャリアの棚卸しをして、自分の「強み」や「好きなこと」をしっかり把握し、更に自分の「強み」に磨きをかけたいと思います。
大杉先生の「老後マネープラン」「老後ライフスタイル」「終の棲家戦略」
私のコンサルタントとしての専門は、財務です。家計のキャッシュフローやバランスシートもお手の物。長年職場の人事労務も担当してきましたので、年金等の知識は、それなりにありますし、そう心配はしていません。年金破たんや2000万円問題等、世間を騒がせたニュースもありましたが、収入に応じたライフスタイルにシフトできれば問題ないと思っています。
また、終の棲家は、高齢者住宅の経営や社会福祉士・介護支援専門員でもありますので、これも問題ありません。
起業の成否を決める「ミッション」「ビジョン」「戦略」
これも経営コンサルタントの仕事をしていましたので、大切さはよく理解できます。私も多くの中小企業の「ミッション」「ビジョン」「政策・戦略」「戦術・戦闘」創りのお手伝いをしてきました。自分の起業準備ノートの最初のページに、しっかりと明記しています。
「定年ひとり起業」という選択
「やらされる仕事」は楽しくない、「収入は我慢料」。会社の仕事は、いくら幹部や役員であっても、経営者でない限りは「やらされ仕事」で、今ほど楽しさを感じることはありませんでした。日本の会社員は、「仕事=嫌なこと」というネガティブな仕事観を持つ人が多い。オーナー企業の創業経営者は、「仕事=楽しくて仕方がない」という人が多い。その決定的要因は、「自己決定感」です。「雇われない働き方」で、きちんとお金が稼げれば、誰でも「仕事=楽しいこと」になるでしょう。
と述べられています。
私も幹部や役員を経験してきました。確かに、大杉先生のおっしゃる通りだと思います。組織の中では絶え間なく「理不尽なこと」が起こります。独立起業は大変なことも多いと思いますが、1日でも早く「自己決定感」を体験し、「仕事=楽しいこと」に仕事観を変化させたいと思います。
幸福度の高い人の思考法「幸せの4つの因子」
1.「やってみよう!」因子(成長と自己実現の因子)
2.「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
3.「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
4.「あなたらしく!」因子(独立とマイペースの因子)
「生きがい=IKIGAI」
杉野先生は、「究極の生きがい」として、前野教授と星渉さんの共著「99.9%は幸せの素人」(KADOKAWA)でヨーロッパの知識人の間で有名になっている「IKIGAIベン図」を紹介されています。
1.「好きなこと」と「得意なこと」が重なる部分が「情熱」
2.「好きなこと」と「世の中の役に立つこと」が重なる部分が「使命」
3.「得意なこと」と「収入が得られること」が重なる部分が「専門性」
4.「世の中の役に立つこと」と「収入が得られること」が重なる部分が「天職」
5.4つのすべてが重なる部分が「生きがい」
この図を見たとき、衝撃が走りました。本当によくできた図です。ぜひ、本を買ってしっかりと見て下さい。楽しんで働く事。ボランティアではなく、収入を得ることが「生きがい」に繋がるということが良く理解できる図です。
もっとも肝心なことは、この4つは一気に重なるわけではなく、まずは「好きなこと」と「得意なこと」が重なる「専門性」を見つけて、それが「社会に役立つこと」になるまで継続することがポイントと、述べられています。この教えを自分の肝に命じ、2年後までに、まともなフリーランスとなるべく「好きなこと」「得意なこと」を仕事にしていきます。
大杉先生、定年後はのんびりではなく、ますます学び、好きなことでますます稼げる、楽しく「働いているから健康なのだ」、という後半人生になるよう頑張ります。
素晴らし本を、本当にありがとうございました。
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